読み物
□光
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ヒカリ「好きなものとか、欲しいものとか、そうゆうのって待ってて手に入るものじゃ無いと思います!!!」
(チャイムが鳴る)
ヒカリ「先生!!!私は今から愛する悠先輩の元に行かないとないのでこれにて失礼します!!」
(体育館バッシュが鳴る音)
ヒカル「ヒカリちゃぁーーーーーん!!!!今日も応援に来てくれたんだ!嬉しいなぁー!!」
ヒカリ「やめてください違います。ヒカル先輩邪魔です。悠先輩が見えないからどいてください」
ヒカル「つれないこと言わないでよヒカリちゃーん!せっかく俺たち似た者同士なんだから俺の活躍見てってよー」
ヒカリ「似てるのは名前だけです!!もうすぐ夏の大会でしょ!!さっさと練習行ってください!!しっし!!あっ!!!悠先輩ーーー!!!好きですぅーーー!♡♡♡」
ヒカル「悠に向けるその熱意を1ミリでいいからこっちに向けてくれたらなぁ…」
ヒカル「はぁー…ま、練習するとしますか!」
*****(バッシュの音)*****
ヒカリ「ヒカル先輩も普通に練習してたらカッコイイのになぁ…まぁ頑張ってるし差し入れ持って行ってやるか」
ヒカリ「悠先輩お疲れ様でーーす♡♡ヒカル先輩もおつかれー。これ差し入れでーー!?」
ヒカル「!ヒカリちゃん!!!」
ドサッ
ヒカリ「っーー、い、た…くない??」
ヒカル「大丈夫?ヒカリちゃん??走ってこけるとかお転婆だなぁ…」
ヒカリ「わ、私は大丈夫だけどヒカル先輩は??」
ヒカル「大丈夫大丈夫!ヒカリちゃんに怪我がなくて良かったよ」
ヒカリ「っ………ゴメン、なさい…」
ヒカル「俺練習戻るわ。危ないことしちゃダメだよ」
ヒカリナレ(ヒカル先輩はそう言って体育館に戻って行ったけど、その後練習に参加してる様子は無かった。私は一縷の不安を抱えたまま先輩に会うこともなく数日が過ぎていった)
**********
大会会場ナレ「それではこれより、第38回選抜バスケットボール大会 中学の部を開催致します。」
ヒカリ「ヒカル先輩なんで試合に出てないんだろ。ちょっと探しに行こーっと」
ヒカル「お願いします監督!次の試合は出させてください!!!なんとか勝ち上がってこれましたけど次の相手は…悠1人じゃ無理です!俺なら…俺なら大丈夫ですから!お願いします!! …………良いんですか!ありがとうございます!頑張ります!!」
ヒカリ「えっ…先輩…?なんで手首に包帯巻いてるの?もしかしてあの時…」
ヒカル「っ…ヒカリちゃん…ちょっとだけ俺の話、聞いてくれる?」
ヒカル「俺さ、昔は全然バスケ上手くなくて。ずっと補欠だったんだよね。誰か俺のこと見てくれないかなってずっと思ってた。そんな時君に出会ったんだ。どんなに応援しても頑張っても悠に見向きもされない君を心のどこかで自分に重ねてた。Wこの子が悠を諦めたら俺もバスケを辞めよう"って。そう思って君を見てたんだ。だけど、君は諦めることなんか無かった。」
ヒカル「何がそんなに君を支えてるのか聞いたことがあるんだ。そしたら『好きなものとか、欲しいものとか、そうゆうのは待ってて手に入るものじゃない』って返事が返って来て驚いたよ。誰かに見つけてもらうのを待ってた俺とは全然違った。」
ヒカリ「先輩…」
ヒカル「そっから死にものぐるいで練習して、初めて努力したんだ。そしたら、いつの間にか補欠から試合に出られるようになってた。俺、諦めないから。君も試合も。ちゃんと上から見てて。今日は俺のこと応援してってよ」
(試合開始のブザー)(体育館の音)
ヒカリ(試合はほぼ互角のまま終盤に差し掛かった。終了まで後10秒、というタイミングで先輩にパスが回った。)
ヒカル(ここで勝つには俺が3ポイントを入れるしか無いけど、俺に出来るのか…)
ヒカリ「ヒカル先輩ーーー!!!頑張れェーーーー!!!!」
ヒカル「応援して欲しい人に応援されてんだ。外すわけないよなァ!!!」
(ゴールに入る音)(歓声)(試合終了のブザー)
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ヒカリ「こうして我が校は無事に優勝を遂げました。この試合の後私達がどうなったのかは、また別のお話」
**END**