読み物

□絡み合う駆け引き
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「また来たのかよ」



「そりゃ、氷帝は強豪じゃからの。ウチの参謀が、な」



「情報集めて来いってか?」



「ご名答」



ホントは、嘘じゃがな。
ここ最近、オレのもっぱらの趣味はコイツを観察する事になっとった。


プライドが高く、穢れない魂。

何故かそれに強烈に惹かれたからじゃ。



「で?弱点は見つかったかよ」



「それがなかなか見付からんき」



「そりゃそうだろうな」



回答は分かっとった、と言わんばかりの声色。
どこをつつけば コイツのこの自信を崩せるんじゃろうか


弱った氷帝の部長を見たい、厄介な感情。



「のぉ、氷帝の部長さん。」



「アーン?何だ。くだらねぇ事だったら引っ張り出すぞ」



「どないしたら、その自信は崩れるんじゃ?」



駆け引きが好きなオレの、珍しい直球。

何故かコイツには小細工しても通じんような気がするんじゃ。



「お得意のペテンはどうしたよ、立海の詐欺師?」



フフン、と鼻を鳴らして上から見下す。
なんじゃ、このモヤモヤは。



「どうせ小細工しても通じんのじゃろ」



「分かってんじゃねぇか」



後ろに束ねた髪をそっと指に絡めて、目を細める。



「自信、か。そうだな、お前が俺様に会いに来なくなったら無くなるんじゃねぇか?」



「オレは、お前の自信が無くなった所を自分の目で見たいんじゃけど」



「じゃ、無理だな」



訳が分からない。言葉の裏に隠された糸を引っ張って、真意を探る。
言葉の裏の裏には、また糸があるのに



「分かんねぇのか?」



「いっぱい糸が絡まって、何がホントかよぉ分からん」



「簡潔に言うとな」















「お前、オレが好きなんだろ」



ニヤリ、不敵に笑う氷帝の部長。


オレの嘘は いつから見破られとったんじゃろうか



「そんな事なか」



「じゃあ、何で理由も無いのに会いに来るんだ?」



「理由は……」



「柳からはなにも言って無いと聞いてるけどな」



絡む、絡む、駆け引きの糸。


恋の糸に、絡まって。


「お前が会いに来なきゃ、自信が無くなる。つまり……」










「俺様もお前が好きなんだよ」







気が付けば、もう動けない。



身も心も この恋に捕らわれて


































絡み合う駆け引き

(絡まった糸は、ほどけない)

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