連載夢
□遊びの、代償
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抜けていく。
熱がドクドクと音をたてて。
消えていく。
ぼやけた視界に映るのは、名前も思い出せない一人の女。
流れていく。
痛みさえ、もう感じない。
何処で選択を誤ったのか。
どこから間違えてしまったのか。
重さを支えきれずに瞼を閉じれば、塞ぐことの適わない耳だけがまだ、そこに女が佇んでいることを教える。
ああ…泣かせちまった…。
朱に沈む身体は、もう1ミリも動かせそうにない。
もし唇を開くことが出来たなら、伝う言葉は謝罪か呪いか。
こんな最後を迎える俺を、あいつはどう思うだろう。自業自得だと笑うだろうか。
馬鹿な人だと怒るだろうか。
−遊びの、代償−
ツケは、思った以上に、高くついた。