拍手置き場

□2007.11.01〜
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『柏木ホームの物陰』




柏木ホームでは、秋祭りのための準備で大忙しであった。

「ねぇ、きらちゃ〜ん!これどこに置いたらいいの〜?」

「あ、すみません、白石先輩!!そこに置いといてください!!」

と、祭りの準備のため陽菜もかり出されたのであった。

「ほんとにすみません、先輩…せっかくの休日なのに……」

「いいよ、いいよ〜、とくに予定も入ってなかったし…それに私、子ども好きだしね!!」

「…そうですね……あのやんちゃっぷりがなかったら……寝顔は天使なのに…って、いってるそばから!!こら!!けんかしないの!!」

ときらと陽菜は、子どもたちの方へ駆けていく。

「もう、だめでしょ。おもちゃの取り合いしちゃ。順番をまもらなきゃ、ね?」
ときらは、子どもをなだめる。

「みんな楽しく仲良く遊ぼうね?そうだ、少し休憩して、お姉さんたちと一緒にかくれんぼしよっか?」

ときらも、陽菜も普段見せないような、やわらかい表情で子どもたちと接する。





そんな二人を見ていた、二つの物陰があった。


(子どもができたら、陽菜、いつでもあんな顔しれくれんのか…?結婚もいいもんだな…)
と片瀬。


そして、もうひとり…

(きらのあんな表情、見たことない……、子どもたちがうらやましいな……って、何を考えてるんだ僕は!!)
と優。


そんな秋晴れの中、柏木ホームには、子どもたちと遊ぶやわらかい表情の二人と、真剣に考え込んでいる二人の姿があった。


― E N D ―

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