拍手置き場

□2007.11.01〜
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『解禁日』





「あ、ボジョレー・ヌーヴォー、解禁されたんだ」

陽菜は、コンビニでそれが売り出されているのを見た。

(哲生、お酒好きだし、ワインも飲んだりするかな〜?…うぅ〜ん……せっかく今日、解禁日だしなぁ…よし、買っていこう!!私、お酒弱くてあまり飲めないから、哲生とお酒、付き合えないし…でも、もしかしたら、ワインはイケるかもだし!!)

と陽菜は、哲生にプレゼントするつもりで、買ったのだった。



そして、陽菜は帰宅し、哲生が陽菜のアパートへ来た。

「ねぇ、哲生、今日は哲生にプレゼントがあるの」

「あぁ?なんだ?今日は、俺の誕生日だったかぁ?」

「もう、違う〜!!今日は、年に一度のボジョレー・ヌーヴォーの解禁日だよ!それでね、哲生…奮発して、買っちゃった!!だって哲生、私、お酒弱くて、なかなか飲みに行けないでしょ?」

「そうだな……でも、お前さ、ワインは飲んだことないだろ?試しに、飲んでみたらどうだ?案外、飲みやすいぞ?」

「うぅ〜ん…そうだね…せっかくだし、ちょっと飲んでみようかな…」

「よし、…ほらグラス」

片瀬は陽菜にワイングラスを渡し、互いにワインを注ぎあう。

「それでは、わたくし、白石陽菜が、音頭をとらせていただきます……、ボジョレー・ヌーヴォー、解禁おめでとう!!」

「なんだそりゃ?」

「まぁ、いいじゃない?ね、哲生!かんぱ〜い!!」

「はい、はい、乾杯。」

「あ、おいしい!!飲みやすいかも…」

「だろ?」

「うん、もっと飲みたい!!」

「おいおい、ほどほどにしておけよ?」

「大丈夫だって!」







――そして、10分経過……





「おい……なんでこんなことになってるんだ……?」


陽菜は調子に乗って飲んでしまったため、うとうとと眠ってしまった。しかも、哲生の膝を枕にして……



(ったく、だから、言ったのによぉ…でも、まぁ、こいつと酒を交わせたのは、よかったけどな…テンションが上がっていたせいか、饒舌になってたし…笑顔で話してる姿は、可愛かったな………しゃあねぇ…比丘尼の庵では、こいつに膝貸してもらったしな…こいつの寝顔を堪能させてもらうとするか…)


と片瀬は、陽菜が目覚めるまで髪をなでたり、頬をつついたりしながら楽しい(?)時間を過ごしたのであった。




― E N D ―

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