水の旋律
□あたたかいアイス
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そして、優のアパートに到着。
上着を脱ぎ、買ってきた袋の中のアイスを探すきら。
「では、では、早速……」
と言って、きらは袋の中からアイスを取り出し、口に運ぶ。
「んん〜おいし〜!!やっぱ、冬のアイスは格別だね!!冬には、チョコ系のアイスで決まりだね!!」
そんな、幸せそうな顔で食べているきらを見て、優は微笑んだ。
「ん〜…でも、まだ部屋があったまってないから、さすがにちょっと、寒いかも…」
二人がアパートに着いてから、暖房をつけたので、部屋の温度はまだ低いままである。
「…………」
「…優?どうしたの?」
無言になった優を覗き込むきら。
「…仕方ないな…」
「え??」
「こい!!」
そう言って、自分の隣に座っているきらの肩を抱き寄せた。
「へ!?!?」
「……これなら、少しは暖かいだろ…!!」
「……うん…////…ありがとう…」
きらは、優の“あたたかさ”を感じながら、冷たいアイスを食べた。なんだか、こうしてアイスの冷たさを感じることで、逆に、優のあたたかさを強く感じる。
「…優も、食べる??」
自分だけ、食べているのも悪いかな〜?と思って、きらは優に訊いた。
「…いや、僕が冷えたら、お前も寒くなるだろ…」
「大丈夫!!優のおかげで、あったかくなったから!だからね、優が寒くなったら、私があっためてあげるね!!」
「――っな!!!!……お前どういう意味で言ってるのか分かってるのか!?」