Treasures
□守ろう、君を、貴方を
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しかし大丈夫だろうか?陽菜は少し安穏過ぎる。完結に言えば鈍い。若い男子生徒の恐ろしさをきっと陽菜は知らないだろう…新野憲吾に対してももっと危機感を持って…
「桐原先生、何ドアの前で立ってるんですか?」
「…今入る所だ」
扉を開けたと同時に陽菜と目があった
陽菜は嬉しそうに笑った後、自分の席についた
それとほぼ同時に鐘が鳴る
「教科書、58ページからだ」
放課後と、言っていたな。その前に陽菜に話すべきではないか?
しかし何を伝えたらいいか私には分からない。これほど自分の不器用さを呪う事はない
「あの…桐原先生」
「なんだ?」
「教科書逆さまです…」
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