Treasures

□守ろう、君を、貴方を
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駆け出したい衝動を堪える。私が今出て行っては、きっと陽菜は自分を責めるだろう



しかし陽菜はその手を振り解こうとして



勢いよく近くの窓に放られた



ぶつかる、そう思う前に走り出した










「…怪我は、ないか?」



考える猶予も与えずとっさに走り出し、私は身を持って陽菜を庇った



割れた窓ガラスの破片は私の背中に刺さったらしく、痛みが背中に走った、だが慣れたものだ



「た…かひと…さん…?貴人さん!!」



「すまないが…破片を抜いてくれないか?」



陽菜は慌てて私の背中に刺さった破片を取り除いてくれた。


背中からは嗚咽が聞こえる



「ば、化け物!!」



男は叫んだが、私は別に何とも思わなかった。


傷を負った時点で予想はしていたし


その言葉は幾度となく、聞かされた物だった、陳腐な台詞だ



だが



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