Treasures
□守ろう、君を、貴方を
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それは新野憲吾の叫びから始まった
「陽菜!!陽菜がラブレター貰ったって本当にか!?」
私はそれを教室の扉を一枚隔てた所で聞いた
「け、憲吾くん声大きい!」
「やっぱり…本当、なんだな…」
私は扉を開けられないでいた
「…私、断るから」
「本当か!?」
「うん…誰より傍に居たい人が居るから…」
「いぃ!?…誰だ?誰だ陽菜!」
「…冷たいように見えて、とても優しい人」
陽菜の優しい声に
自惚れと言われてもいい、でもそれはきっと私の事だと思った
口元が緩む
「とりあえず、今日の放課後って書いてあるし、行ってみる!」
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