Treasures

□大切な名前
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愛する人の名前を呼ぶのは難しい。けど…。







大切な名前








「圭さんって、今だに私のこと名字で呼びますよね?なんでですか?」
いきなり恋人である白石陽菜からそんなことを言われた。
「どうしたんですか?いきなり…」
「だって、やっと恋人同士になれたのに圭さん私のこと名前で呼んでくれないんだもん…」
確かに人前でいる時はもちろん、二人きりの時でさえ彼女を名前では呼ばず、相変わらず名字だ。
「私だって『圭さん』って名前で呼んでいます!それなのに、圭さん私の名前呼んでくれないから、いろいろと不安になっちゃうんです…」
「ふ、不安とは…」
「圭さんが本当に私のことを好きなのかなって…」
「白石さん…」
「す、すみません。私のワガママでした!気にしないでくださいね?」
そんなことを思っていたなんて…。
出来るならそのワガママを叶えてあげたい。そう思い白石さんと別れたあと私はある人のところへ向かった。
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