The Original Story

□彼女と彼と和風パフェ
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―天高く、馬肥ゆる秋。

何をするにも絶好の季節の到来。
食欲旺盛の秋とはよく言ったものだ。

…そう、食べ過ぎには特に注意しないと…
今日から3日間は…確実に、太る。




3年生の夏休みが終わった。
先生から渡される成績表を見て、一安心。
落とした単位は運良く、なかった。

来年度も同じ講義を受けるだなんて、苦痛以外の何ものでもない…

そんな快調な滑り出しでスタートした、新学期…
それと同時に学祭の準備もスタートしたことになる。

私の所属する写真部(と言っても私はイベントのみ参加で、普段は幽霊部員だが)は、今年は模擬店をすることになっていた。
これは夏休みに開かれた部会の決定事項であり、4年生の先輩命令であるといっても過言ではない。
写真部は人数が少ないため、4年生はこの学祭をもって引退なのだ。


よって、その準備にかなりの時間を割いた。
去年は写真展示で楽だったが、模擬店は比べものにならないくらい準備に手間がかかる。

『模擬店』といえば、避けられないアレも…


『男子、検便、ガンバ!』

そんな、満面笑顔の女子先輩に逆らえるはずもない後輩男子達が『はぁ〜い…』とうなだれている光景は、見ていて少し面白かった。
…女子でよかったと思った瞬間だった。


それからは、一人ノルマ20枚の食券を見境なく売りさばき(友達の友達は友達!をモットーに)、食材調達、テントの設営、装飾やPOPの作成、試作作り、調理器具・備品の調達、釣り銭の用意、シフトの調節などなど…
細かいことを挙げるとキリがない…


そんな怒涛の準備期間を経て、ようやく…というか、とうとう学祭初日がやって来たのだった。






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