The Original Story
□彼女の苦悩
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「んで?最近どうなのよ?」
「何が?」
「例の幼なじみのカ・レのことに決まってるでしょ〜!!」
「あぁ…あいつのことか…」
大学の食堂。昼休みの食堂はたくさんの人で賑わっている。誰も私たちの会話に気にもとめない…っていうか、周り知らない人だらけだし…こんな中にいるほうが、人目を気にせず、ズカズカ言えるんだよねぇ…
私はランチセットのフォークを握り締めながら、答えた。
「……相変わらず人の家に来て、勝手に(母の承諾を得て)人の部屋に上がり込んで、少女マンガ読んで、ベッドでくつろいでるらしいですけど!?」
「…そんな状態でよく、つき合ってないって言えるよね…」
「まったく、人の家を何だと思ってるのか…」
私は溜め息混じりに答えた。
「…ったく、自分の部屋なのに、あいつが神出鬼没で現れるから、本棚に置く本も選ばないといけないしさ…」
「…まぁ、楓にはきついよね…」
私の趣味を理解してくれる友達、結崎 理子は言う。
結崎 理子(ゆいざき りこ)同じく大学3年生。大学に入ってできた友達。私の趣味を知っている良き理解者。
「そうそう…ダンボールに収納したり、必死なんですよ!?私は!!」
「はい、はい…それで?」
「聞いてくれる!?」
「はい、はい…聞きますよ…」