The Original Story
□彼女の呼び名
1ページ/8ページ
「ただいま〜!バイト行ってくるよ!」
家に帰った私は、大学用の鞄を置き、ヘルメットと財布、携帯を持って、足早にバイト先へと向かった。
すでに置いてある原付の横に自分の原付をとめ、エンジンを切り、ヘルメットを外して店内へ入ると、レジの引き継ぎをしているところだった。
「おはようございま〜す…」
従業員同士では、何時であっても挨拶は
「おはようございます」
だからね。と店長に言われたので、型どおりの挨拶をする。
最初の頃は夕方でも朝の挨拶か…と違和感を感じないでもなかったが、今ではすっかり当たり前の挨拶になった。
「お!かなでちゃん!!おはよ〜」
「……。おはようございます…」
足早にレジの前を通り過ぎ、従業員用のドアを開け、制服に着替え、レジに向かった。