The Original Story
□彼女の夏の軌跡1
1ページ/8ページ
「だは〜…テスト、終わった…」
私は机に突っ伏して、ため息(?)をついた
「なんつ―ため息ついてんのよ、楓…」
私の座っている席に理子が近づき、疲労困憊で背中に陰を背負っている私に話しかけた
「だってぇ〜普段ちゃんと講義きいてないから、この単位落とすかどうかの瀬戸際だったんだもん…」
「それはアンタが悪い!」
理子はビシッ!と右手の人差し指を立てて私を指さす
「仰る通りです…」
「でも、まぁ…何にせよ、明日から夏休みだしぃ?…して、夏休みの予定は如何かな?」
何を期待しているのか、理子はニヤニヤしながら私の返事を待っている
「……8月1日に新作ゲームの発売日…」
「……は?」
理子は目を丸くして、素っ頓狂な声を出した
そんな驚かなくても…
「だ〜か〜ら〜!」
「ピチピチ女子大生が何言ってる!?アンタの趣味の話をしてるんじゃないよ!…要くん帰って来るんじゃないの!?」
私がもう一度ゲームの発売日のことを言おうとしたら、物凄い剣幕で遮られてしまった
「あぁ〜…そんな人もいたっけなぁ〜…」
私は遠い目で、去年の夏休みを思い出した