お題小話
□6月の花嫁
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※旧ブログより転記
水の旋律SS 片瀬×陽菜
「陽菜?」
久しぶりに晴れた日。梅雨の為、雨が続いており、これほど気持ちよく晴れたのは久しぶりだ。
デート…ということで、街を歩いていた二人だったが…
隣に歩いていたはずの陽菜がいない…
片瀬は後ろを振り返った
陽菜はある店のショウウィンドウに釘づけになっていた。
「?」
何かほしいものでもあるのかと思い、陽菜に近づいた片瀬もそのウィンドウを覗いた。
純白のドレスに目を奪われた。
眩いばかりの白のドレスの隣には、白のタキシード…
陽菜にきっと…いや、絶対似合うと断言できるが、果たしてこの白のタキシードが自分に似合うのか……
想像を要する問題だ。
「やっぱり綺麗だよね〜」
そんな片瀬をよそに、陽菜は隣にいる片瀬に独り言のように呟く。
「6月は雨が多いけど…ジューンブライド…憧れちゃうな…」
今なお、うっとりとした陽菜の顔を見ていると、男として何か言わなければならない衝動に駆られるが、正直なところ、結婚するにはまだ早いと思う自分がいる。
結婚の相手は陽菜しか考えられないが、陽菜はまだ学生で……というのは建前で…正直、「こんな俺と結婚しちまっていいのか?」「陽菜…幸せになれるのか?」
……つまるところ、自分に自信がない。
いつも強気なくせに、陽菜のことになると気弱になる自分を情けなく思っていた片瀬だった。
「……雨の日でも…一緒に寄り添っていたい人…」
「え?」
片瀬は自分の情けなさに打ちひしがれていたので、陽菜の言った言葉に反応が遅れた。
「6月の…雨の、梅雨時期でも…一緒に居たい人……だから6月に結婚する人がいるのかな…って思って…」
梅雨のため湿度が高く、ジメジメした日が続く日本の6月。
そんな6月に結婚する人がいるのは、陽菜の言うとおり、天候や季節に関わりなく一緒にいたい…片時も離れたくないという誓いなのかもしれない…
「陽菜…」
「ん?」
陽菜はショウウィンドウから目を離し、片瀬を見た
「俺も…お前と離れたくない…いつでも一緒にいたいと思ってる…」
「哲生…///」
「だからその……///学校、卒業したら覚えておけよ!6月の予定は空けておけっ!!」
まだちゃんとした言葉にはしない…
迎えるその6月まで温めておこうと思う。
「哲生……///ありがとう…っ」
陽菜の瞳が潤んでいたのは気のせいではないだろう…すぐ俯いてしまったが…
「……ほら行くぞ!!」
片瀬はテレを隠すかのように陽菜の手を掴んで歩き出した。
今日は絶好のデート日和になる
そう確信していた片瀬だった
END
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父母結婚記念、おめでとう!!
……っということで書いた代物です…
ってか、ほんとは3日なんですがね…
6月の花嫁…
やっぱ憧れっすね★
あと実習も金曜日までとなりました!
更新停滞しているにも関わらず、足を運んでくださる方への感謝の気持ちです!
では、ラスト1週間、頑張って来ます★
2008/06/22 11:20 作成