お題小話
□あなたに願いを
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※旧ブログより転記
水の旋律 優×きら
「笹の葉〜さらさら〜♪…と」
今日は七夕。
駅では笹が飾られていて、短冊が人々の願いをのせて揺れている。
織り姫と彦星の年に一度の逢瀬の日。
こんな日は、晴れてほしいと願わずにはいられない。
「……でも、私だったら、我慢できないだろうな…」
きらは揺れる短冊を見上げて呟いた
私だったら…
何としてでも、優に会いに行く!
優もきっと、私に会いに来てくれると思うから…
じっとして待っているだけのお姫様なんて、私じゃない!
きらはつくづく、自分は『姫』に向いていないな…と思った
「…きら?」
「え…?」
揺れる短冊を見ながら考えていたので、突然話しかけられて驚いてしまった
「優…」
「なんだ、そんな所で立ち止まって……あぁ…今日は七夕か…」
優はきらの視線の先を見て、今日が何の日か理解したようだ
「……それで、何を願ったんだ?」
「え?何も願ってないけど?」
きらは織り姫と彦星のことを考えていたので、願い事を決めてなかった
「願い事、ないのか…?」
「ないことは、ないけど…ただ…」
新作のぬいぐるみ、欲しいなぁ〜?とか、剣道の試合、入賞したいなぁ〜とか、そんなことが思い浮かぶ
でも、それよりも…強く思うのは…
―この先も、優とずっと一緒にいれますように…
「ただ…何だよ?」
優は気になるのか、きらに続きを促す
「ただ……内緒。」
言葉にして言うのが気恥ずかしく思えて、きらは言うのをやめた
「何だよ?気になるじゃないか!」
「えへ!内緒なんです〜それに…願い事は人に言っちゃうと叶わないんです〜」
「……僕がお前の願いを叶えてやるって言ってもか…?」
優は小さな声でうつむきながら言ったが、きらにははっきり聞こえた
「……優///」
「いや!気がむいたらな!叶えてやらないこともないともなぃ…」
きらは真っ赤になりながらも、言葉にしてくれる優が愛しく思い、優に近づき耳元で囁いた
―もう、叶ってるよ
END
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七夕ですね!
最後まで、願い事を言わない天の邪鬼なきらでした〜
でも優ときらは互いの願いは、お互いにしか叶えられないことに気づいたことでしょう!!
では☆彡☆彡
2008/07/07 19:21 作成