水の旋律

□あなたのすべて
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「よし!こんな感じかな?」


今日は11月20日、圭の誕生日である。陽菜は圭のマンションで、料理を作っていた。

「二人とも、早く帰ってこないかなぁ〜…」

時計を見ると、もうすぐ二人が帰ってくる時間であった。愁一と圭は、一謡の郷に用があり、そんな陽菜は二人の帰りを待ちわびていたのだ。

(3日前……、圭さんに「あのね、20日にね、圭さんの家で夕食、作ってもいい?」って、きいたとき、なんだか、“きょとん”とした顔してよね……?もしかして、自分の誕生日だってこと忘れてるのかも……とても気配り上手な圭さんだから、他の人のことばかりで、自分のこと二の次って感じだもんね……)


と陽菜は、再び時計を見たが、時間はあまり経っていない。

(圭さん、早く帰って来ないかなぁ……せっかくの料理が冷めちゃうよ…温かい方が、おいしいのに……)


陽菜は、昨晩も料理の練習をしていた。圭ほど、料理・洗濯・家事を完璧にやりこなす男の人はいないんじゃないか、という圭である。そんな、圭に自分の手料理を食べてもらうのだから……と思い、夜遅くまで、練習していたのだ。



そうこうしているうちに、とうとう眠くなってしまい、テーブルに突っ伏したまま、眠ってしまった。


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