水の旋律
□紫の思惑
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「いきなり何の用だろうね?片瀬さん…」
「さぁな……なんか、たくさんもらったから、お前らにもやる、とかなんとか…」
優ときらは一謡の郷に来ていた。いきなり片瀬から、加々良本家に来いと呼び出されたのだ。
そして、二人は加々良家の前に着いた。
「うわぁ〜…いつ見ても立派なお屋敷だなぁ〜」
「まぁ、古いがな…一謡といっても、とくに加々良家は、商才を発揮する者が多いし、いたるところに、土地やらマンションを所有しているしな…葉光学園もそのひとつだな…」
「ふぁ〜……なんだか住んでいる世界が違うって感じ……」
「って、お前も一謡だろ?」
「でも、改めて聞かされるとねぇ……あ、そうだ、優の家は?」
「僕の家?」
「うんうん!優の実家もこの郷にあるんでしょ?私、見てみたいなぁ〜」
「…………また…今度、な……」
「えぇ!今度っていつ?」
「今度は今度だ!!」
「それ、答えになってな…」
「よぉよぉ、お二人さん。大声出しちゃって、こんなところで、イチャつくんじゃねぇぞ。」