水の旋律
□甘く、ささやく声
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「見て!見て!!哲生!あの服、かわいい〜!!」
デパートの子供服売場を通りかかった片瀬と陽菜。キャラクターのフード付きの子供服を指差して、陽菜は言った。
「いいなぁ〜…子供ができたら、あんな格好させたいなぁ〜……そうだ!哲生は、子供、好き??」
「んん?そうだな…お前とオレの子、限定だな…」
「そっ、そっか…////……ねぇ、もし子供ができたら、どんな子に育ってほしい?」
「そうだな…優みたいに、口悪くなくて、素直な子がいいな…お前みたいに…」
「もう…そんなこと言って…でも、そうだね……男の子だったら、哲生みたいに強くて、たくましい子になってほしいな…『僕がお母さんを守る!』とか、言ってほしいかも!!」
「おい、おい…お前を守るのは、オレの特権だろ?いくら実の息子でも、譲らないぜ…」
「哲生…////もう、子供にまで、ヤキモチ妬いて…」
「当たり前だろ、お前は、オレだけの陽菜だろ?」
「もぅ…」
「それに…オレもお前のものだしな…」
「……哲生ったら…子供みたい…」
実の息子にまで、ヤキモチを妬く片瀬が、なんだかかわいくて、クスクス笑う陽菜。
「おいおい…お前はオレの『奥方様』だろ…?」
「はいはい…分かりましたよ。『旦那様♪』」
「分かればよろしい!……忘れるなよ、陽菜…子供の前では、父親であっても、お前の前では、一人の男であり、お前の夫だ…」
「…哲生…////そうだね…子供ができたても、夫婦の時間は大切にしたいね」