水の旋律
□柏木高校の二人
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まだまだ暑さが残る9月。
暦の上では秋だが、「そんなの関係ねぇ!」とでも言うかのように、太陽はジリジリと人々の体力を奪っていく…
そんな、うだるような暑さの中、熱い闘志を燃やしている二人がいた。
―柏木高校グラウンド。
太陽が高くなる頃。
如何に快適に過ごそうかと、誰しも考えている中、そんなこともお構いなしで、優と好春のクラスは体育の授業だった。
「設楽。僕、絶対に負けないんだからね!!」
「それはこっちのセリフだ!!」
クラスメイトたちは、そんな二人の闘志にあてられないように、遠くから見守っている。
「絶対、設楽に勝って、ちぃ姉と放課後デートするんだからっ!!」