Novel

□オトメゴコロ
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チュンチュン…
小鳥が鳴いている。
ここ、神谷道場ではまた新たな1日が始まろうとしていた。
剣心は朝食の準備。
弥彦は朝の一人稽古。
薫は未だに夢の中(笑)
いつもと変わらぬ平和な朝である。
ただ、一つだけいつもと違うのは…。


「薫さん薫さん!!お願いです、起きてください…っ」
「ん〜もうちょっと…」
「そんなっ;;お願いです薫さんっ」
「そんなに慌ててどうしたのよぉ…燕ちゃん」


渋々起きあがる薫。
大きなあくびをして、う〜ん…と両の手を高く突き上げる。
いつもと違うと言うのは、燕が泊まりに来ていた事だった。
薫が目を開けると…そこには慌てふためく燕の姿。


「どうしたの燕ちゃ…ぷっ//」
「あっ、ひどいです薫さん…」
「ごめんごめん//そういう事ね♪」
「はい…お願いします…」
「ちょっと待ってね♪えぇっと櫛は…」


燕の頭は、いつもと違う枕によって例の如く大爆発していた。
枕が変わると、次の日は寝癖が酷くて大変なのだ。


「おかしいわねぇ、なかなか見つからないわ…」
「こっ、困ります(涙)」
「大丈夫よ♪えっと…あっ、見っけ♪」


櫛がやっと見付かり、燕がホッっと胸を撫で下ろしたその時だった。


ガラッ…


「薫!!燕!!もう朝飯だ…ぞ…??」
「弥彦くん…」
「燕その髪…プッ//」
「…。」
「ギャハハハハ!!」


なんてタイミングが悪いのか…案の定そこに現れたのは、いつも起こしに来る剣心ではなく弥彦だった。


「ひ〜っ、腹いてぇ//」


腹を抱えて笑い転げる弥彦。
そんな姿は、乙女心を傷付けるには十分で…。


「うっ…ひっく…」
「ギャハハハ…ハ??」
「そんな、にっ…笑わなくたってっ…(泣)」


瞳にいっぱいの溜め、寝癖もそのままに燕は部屋を飛び出していってしまった。
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