書物棚2

□家族ごっこ。
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「兄にもさせてくれ。私達は兄弟だろ?」
幸村は『私達は兄弟』と言う言葉に酔った。
後ろは初めての経験になるが、嬉しさに恐怖とか戸惑いはない。
「はい…兄上…」
幸村は頷く。正澄は気持ちは焦りながらも、幸村を思い、丁寧に解してから自らの猛りを進入させた。
「う…あぁ…っ」
三成は胸に頭を埋める幸村の髪を優しく撫でた。
少しでも痛みが和らぐように。
口付けもした。
「ん…三成殿…私…」
すごく嬉しいです。
そう幸村は告げようとしたが、
「…あっ…あぁっ……く…っ」
貫かれた痺れの喘ぎに掻き消された。
そして、幸村自身も前に突く。何度も。何度も。
三成はそれに合わせて高い声を上げ続ける。
もう、嫌はなかった。

静寂。
広間に敷かれた布団は三組。
正澄、三成、幸村、それぞれが横たえていた。
あれから正澄が率先して布団を用意した。弟二人は動けない。
末っ子・幸村は既に寝息を立てている。
「…全く。誰だ、幸村に変な事を吹き込んだ奴は…?」
体温で適度な温もりの布団に丸まって三成は呟いた。
横で正澄は苦笑い。
「純粋で可愛いじゃないか」
「…兄上も暴走しますし…」
「あはは……寂しかったんだよ」
自分も流されまくったので、三成はもう黙る事にした。
「明日、父上に文を書くかな『家族が増えました』って」
「誤解を招きそうですね」
長兄と次兄は笑い合う。
「……父上」
幸村が寝言を呟き、二人は耳を澄ませた。
「私の新しい兄上達です」
兄達は同時に吹き出した。

終わり。
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