書物棚

□結ばれた後に。
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信州、上田城の広い一室で眠る石田三成。
季節は冬、信州は寒さが厳しい。部屋には火鉢がいくつか並んでいる。三成はふと人の気配がして目を開けた。体は起こさずに目だけを気配の方に向けた。
心配そうな顔をした真田幸村が三成の顔を覗きこんでいた。

「幸村…」
「寒くないですか?」

幸村が優しい声で問いかける。

「大丈夫だ」

三成は小さな声で応えた。

「あの…体の方は…その…」

真っ赤な顔をして口どもる幸村。
三成は黙った。
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