書物棚2

□こしょうのこころえべんきょうちゅう。
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真田幸村は家のため、豊臣秀吉の人質として大坂城に入った。
幸村に嫌はなかった。真田家のため、この身が役立つのならば、何でもする。
「幸村、わしの小姓になれ」
大阪で数日過ごしたある日、秀吉に言われた。
秀吉は幸村の人柄を大層気に入ったのだった。
幸村は平伏する。
これにも嫌はない、幸村も秀吉を好いていた。何となくだが父に似ている。
「分からん事は三成に何でも聞いたらええ。三成、幸村を頼むで」
「お任せ下さい」
秀吉が傍に控えている家臣の石田三成に笑いかけた。三成は頭を下げる。
幸村は目前にいる三成から目が離せなかった。
胸が高鳴り、頬が熱くなる。

これは――……。
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