書物棚2

□れんあいのこころえべんきょうちゅう。
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一組の布団に枕が二つ並ぶ。
「幸村〜」
そんな寝床に鎮座していた私は名前を呼ばれて振り返る。
秀吉殿が襖から顔を覗かせていた。
「三成は明日、仕事があるんさ。あまり夜更かしさせんといてな」
「はい。すぐに寝るつもりです」
今夜は三成殿と一緒に寝る事になった。
今日、私と三成殿は秀吉殿の指摘で互いを好き合っているという事を知った。それはとても嬉しい事だ。
両思いになって、一つの布団で何がしたいと秀吉殿に尋ねられ、
手を繋いで一緒に寝たい。
と、私は答えた。
願いはその晩に早くも叶う事になった。
「すぐに寝る、か。むふふ♪」
秀吉殿は含み笑い。
何が可笑しいのだろうか…?
「お、三成が風呂から上がったみたいじや。んじゃ、お休み〜♪」
軽い足取りで秀吉殿が去ると入れ替えに三成殿が来た。
紅潮させた頬にどきりとする。
白い寝間着にそれは凄く栄えた。
「そ、その…待たせたな…」
ゆっくりと三成殿が入室し、私の横に腰を下ろす。
「……」
伏せ目で三成殿が黙る。
緊張している?
「休みましょう。秀吉殿にも夜更かしするなと言われました」
「あ、あぁ…」
もぞもぞと布団に入り、私達は並んで横になる。
中で私は両手で三成殿の手を握った。
「お休みなさい、三成殿」
上機嫌のまま私は眠りに付いた。
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