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□幸村日記
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しかし、いざ三成殿のもとへ来ると、この胸にある疑問を聞いていいのか気になりました。
三成殿、お寺で和尚さんと……あぁ、聞けませぬっ。
門前で悶絶してたら、左近殿がすごい不審な目で私を見ていました。

「……何やってるんですか?」
「はぅ……っ!」

左近殿は三成殿兼城を警護するのが仕事。門前で震えていた私はさぞ不審に見えたでしょう。顔見知りじゃなかったら捕まえられていたに違いない。

「殿に会いに、ですか?」
「はいっ」

三成殿に会わずして引き下がれません。

城内に通され、客間に案内された。しまった、お土産を持参するのを忘れた……!
しばらくすると襖が開かれた。訪れたのは三成殿、ではなく正澄殿。

「ごめんね、佐吉は今忙しくて、もう少し待ってね」

わざわざそんな……正澄殿はお優しい方だ。
そうだ!正澄殿は知らないだろうか、寺の内部事情というものが。

「ま、正澄殿、これを……」

私は例の書を渡しました。正澄殿は不思議そうな顔をして読み始めました。
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