ツバサのセカイ語り物
□きちく?
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ある『東京』撮影の日。
珍しく早い時間で終了。
午後7時。
ファイ
「ねぇ、黒りん。一緒に食べに行こうよー?」
黒鋼の腕にまとわりついておねだりングファイ。
しかも、魔術もどき上目使い…。
黒鋼
「悪ぃな。俺ぁ今から人と会う約束がある」
ファイ
「…そう」
可哀想に…。あっさり断られたみたいです。
黒鋼が人と会う約束?
ファイはこの相手が誰か気になってるはずですね。
ファイ
「…誰か綺麗な人?」
黒鋼
「んなんじゃねぇよ」
ファイ
「…お仕事?」
黒鋼
「…直ぐ戻ってきてやっから、部屋で待ってろ…」
何時になく優しい感じの黒鋼です。
そして、ファイを抱き寄せて軽く
愛の口付けを…
ファイは満面笑顔になりました。
ファイ
「じゃあ、待ってるね♪」
素直に返事をしたファイですが、一足先にスタジオを出た黒鋼の後ろ姿を、とっても寂しそうに見ています。
そんな時でした。
ある男が一人残されたファイに声を掛けます。
「よお」
「ん?」
ファイが振り返ると、そこには草薙が居ました。
ファイ
「あ、お疲れ様ー、草薙さん。何か用ですかー?」
草薙
「一人なんだろう?俺と一緒に行かねぇか?」
ファイ
「ホントー?わぁい♪行きまーす」
またある男がやってきました。
「僕も仲間に入れてくれない?」
ファイ
「あー♪遊人さん」
遊人
「草薙、一人占めなんて許さないよ」
草薙
「仕方ねぇ、じゃあ三人で行くか」
しかし…
「待て」
また来ました。
ファイ
「あ♪那たくさんも一緒に行きますか?」
草薙・遊人
(な!?)
那たく
「違います。台本の差替え分を渡しに…」
ファイ
「那たくさ〜ん、行きましょーよ♪ね、いいでしょ?」
なんか段々甘えん坊になってますよ。
那たく
「しかし…」
そして…
「ほんならわいも行くでー」
またまた来ました。
空汰
「やっぱり人数は多い方がええやろ?なぁファイ、どうや?」
那たく
「でもお前はタワー側の人間だろ?」
空汰
「そんなん関係あらへんって!ほらファイはめっちゃ喜んでるでー」