ツバサのセカイ語り物

□forever with you
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あの日はね…


とても綺麗な夜空だった。
月は
少し怖いと思うくらいに
真っ赤に輝く満月で、
その周りで
たくさんの流れ星が流れててね。

でもオレは
流れ星じゃなくてずっと
月を
見てたんだ。

もちろん、
星はとっても綺麗だったし、
流れ星なんて
そう滅多に見られるものじゃないから、
そっちを見よう
って思ってたんだけど…。

でも、
どうしても

から目が離せなくて…。

多分ね、
君の瞳と
重なったんだと思う。

笑っちゃうよね。

だってオレ…、
紅い色を
したものを見ると
すぐに君を
思い出すから。

それくらい
オレの中での君の存在は
大きく確かなものになってて。

ずっと一緒にいたいって、

いつもそう思ってた。
今もね。


だけど、



いつか…

離れる日が
来ちゃうんだよね。

前にファンの人から、

『日本国に一緒に連れて帰ってもらえたら、いいですね』

って言われて、オレもそうなるといいなぁって思った。

そうすれば
ずっと一緒に生きていける。





物語の中ではね。




でも、現実はそうじゃない。
オレ達が遠くなる日は、
絶対にいつか来てしまう。


だって旅が終わったら、
物語が終わったら、

撮影も終わってしまうじゃない。


そしたらきっと、
会える日もどんどん
少なくなる。



でも、仕方ないよね。


ずっと一緒に
いたいのに…。



君が遠くに行っちゃって、オレが独りになった時、

きっと生きていけなくなるんだね。


なんか、

物語の自分と同化してる事にも
笑っちゃう。


いつからこんな風になったのか覚えてないし、
それに

『あの日からだよ』とか言われても、
思い出せないと思うなぁ。


そうそう、こんな事ばかり考えてたから、


あの日…


オレは見ちゃったんだよね。

君がオレから
遠ざかって行く
姿…



 
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