ツバサのセカイ語り物

□殺
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「………やったー!!オレの勝ちー!!さぁて、寝ーよぉ♪」


嬉しさ任せにベッドに飛び乗ったファイは何も気付いていなかった。



「今…何て言った?」



浮かれていて、その声の主は分からなかった。



「だーかーらー、オレの勝ちー♪って…………………………………あれ?」


振り向くとそこにいたのはますます眉間の皺が増えた黒鋼だった。




ファイから血の気が引いていく。



「…出てった…んじゃ…なかった…の?」


恐怖で顔を引きつらせたファイにまた口の端を吊り上げて見せた。


「開いて閉めただけだ」



「騙したの!!??」



「それはこっちのセリフだ。…んで、どこからてめぇの計画が始まってたんだ?」



「言ったら許してくれる?」



黒鋼はファイを勢いよく押し倒した。



「言わねぇとどうなると思う?」




「……………」



「言えよ」





「…黒様に起こされる前から」




「…そんなに嫌か?」



「だって明日はオレ…朝早いし…。それに体がもたないよ…」




そう言って力の無い腕で黒鋼を押し返すが、それは無意味な事だった。




黒鋼はファイの耳元に口を近付けて…。

そしてまた一段と低い声で静かに、静かに
ファイに告げる。








「……そのままじっとしてろ…。今すぐあの世へ送ってやる…」



END
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