ツバサのセカイ語り物
□楽しい一日
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夕食は侑子の知り合いの店に呼ばれた。
ファイを除いて一同はとても喜んでいる。
「ね?ファイの大好きな物よね♪」
(やっぱり意地悪なんですねー)
そこはお寿司屋さんだった。
「ファイ、さっきの聞こえてるわよ…」
「ゴメンなさーい」
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夜、部屋に戻った黒鋼とファイ。
ファイは黒鋼に捕まる前にさっさとシャワーを浴び、浴衣に着替えた。
「黒るんも早くシャワー浴びてきなさーい」
「それは早く準備しろって事か?」
「………黒様って、変態語翻訳家?」
「てめぇ、俺を馬鹿にしてんのか!」
黒鋼はファイを押し倒した。
「だからー、早く浴びてきなさいよー」
「やっぱりそういう意味じゃねぇか」
「あはは♪」
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黒鋼がシャワーからあがると浴衣をはだけさせて、ファイが横になっていた。
「いい誘いっぷりだな」
黒鋼はファイのベッドに腰かけた。
「違うってば!こすれて痛いからー!」
ファイの鎖骨の辺りは真っ赤になっていた。どうやらそこだけ例の物が塗られてなかったらしい。
黒鋼はその赤いところを指でなぞった。
ファイは眉をひそめる。
「痛いって言ってるのに…」
「聞こえねぇな」
「黒様…、優しいのか意地悪なのか分かんない…」
そう言いながらもファイは微笑んでいた。
「てめぇも、嫌がってんのか喜んでのか分かんねぇぞ…」
黒鋼はいつものように口の片端を吊りあげて笑った。
少し意地悪なその笑みを見て、今日はファイから黒鋼を誘う。