ツバサのセカイ語り物

□助けたいから…
5ページ/7ページ



小狼の部屋の前に来ると、閉まり切っていない戸のお陰で、鍵が開いているのが分かった。

少し中を覗いてみる。
電気が付けっ放しになっていた。

起きているのかと思って足音を気にする事もなく奥に進むと、あのままベッドに倒れたものと思われる姿で眠っていた。



「…来て良かった」


ファイは安心の笑みを漏らし、右手を小狼の額に当てる。


その手の感覚で小狼は目を冷ましてしまった。




「………ファイさん?」


「目を閉じて…」


「え?」


「いいからー。ね?」


「はい」



しばらくして小狼の額から手が離された。



「ファイさん、今のは?」

「おまじない♪オレが小さい時に教えてもらったおまじないなんだー」



小狼は首を傾げた。
ファイは笑顔で答える。



「小狼君が明日も元気で撮影に挑めますよーに…って。風邪ひいちゃったらダメだからね♪」



「……ファイさん…」


「じゃあ、おやすみー♪」




---------------
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ