ツバサのセカイ語り物3
□DOUBLE
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伏せられた紅には、眉を寄せてしまうファイ。
そのファイはもう、黒鋼を睨んでいたファイではなかった。
「……黒様…」
切な気に眉をひそめて彼を呼ぶ。
すっと彼に手を伸ばしながら…。
けれども、伸ばした腕は弱々しく、直ぐにベッドへ落ちてしまう。
「……っ」
「…悪ぃ、ちとヤり過ぎた…」
調子に乗り過ぎたと反省し、落とされたファイの腕を掴んでみる。
と、ファイは残る力を振り絞って躯を起こし、黒鋼の首にその腕を掛けて我が身へと誘った。
「ああ?散々睨んでやがったくせに」
「だって、やっぱり黒様がいいのー」
「ふん、この淫乱野郎…」
低くく響かせ、ファイの顎を舐め上げると、手をファイの後孔に…。
そこにはバイブもローターも入ったまま。
順にそれらを抜き出してやる。
「ぁんっ…っふ」
ゆっくりと抜き出されてゆく感覚もまた快感で、甘い喘ぎが漏れていた。
「んっふ……」
鼻から抜ける色っぽさ。
しかしそれは、黒鋼を再び鬼畜化させるものである。
「堪んねぇ…」
「ぇ?…黒様?」
「ふっ、たまにはいいだろ?」
「へ?」
そしてこの後も二つの玩具で散々に刺激され、結局ファイの望んだものは与えられずに終わってしまった。
END
後にモコナが起きて再参加した事、また、ファイが玩具に魅せられてしまった事はまた別の話。
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