REBORNの世界
□夏祭り
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まだ私が、兄さんのところで暮らしてた時期にーー…
日本の祭りについて聞いたことがあった
ただ…どんなものか聞いただけなのに、兄さんは直接行った方がいいって言い出して、私は迷惑はかけたくないと断ったのに
兄さんが言い出したことは曲げないことを知っていたから
私は、楽しみと不安を感じながら
日本へと旅立った
日本では大体の子供達が夏休みに入っていたから、道も混んでたし賑わいをみせていた。
でも、結局…兄さんが途中で迷子になってしまい、一緒に探していたロマーリオとも、はぐれ私は人混みの中を独りで立っていた
人混みが怖いわけじゃない、ただ…兄さんもいない、ロマーリオもいないなんてこと
久しぶりだったから、自分の存在が小さく見えて怖くなったんだと思う
だから、私は人混みを抜けてぽつんと、石段の上でお祭りの様子を見ながら座っていた
「……」
人の前では泣いちゃダメだって、その時の私のプライドだったから
兄さんとロマーリオが来るのを、ひたすら待ってた
だけど、フッと思ったの…
兄さんが来なかったら?ロマーリオが来なかったら?
私は、また1人ぼっち?
そう考えたら怖くて、怖くて…唇をギュッと噛み締めた
「…ディーノ…兄さん…」
何度も呟いては俯いて、私は身体を縮めて守ってたーー…
自分の中の弱さと脆さを見せない為に