†ダブルオー†
□幸せの意味
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外は雨の雫でキラキラと輝いていた。
街の輪郭がはっきりとしている。
目の前にある広場では木々に囲まれている中に噴水があり、子供たちが遊び回っていた。
「おい、アレルヤ。」
「何?」
アレルヤはティエリアを振り返る。
「いつまで掴んでいる気だ。早く離せ。」
見ると、僕はずっとティエリアの腕を掴んでいたらしい。
「あ、ごめん。」
離すとティエリアがものすごく睨んでくる。
「ごめんって。」
「それにしても綺麗だよね。」
「そうだな。」
ティエリアはどうでも良いという顔をするが、一応同意する。
「地球にもこんなに綺麗なとこ、あるんだよね。」
ソレスタルビーイングに参加して、たくさんの戦争を目の当たりにした。
今まで見てきたのは破壊と崩壊。
でも、地上にもこんなに輝く場所があったのだ。
こんなにたくさんの自然があり、笑顔があり。
「僕は、この世から戦争をなくしたい。だから僕は何度だって介入行動をとるよ。でも、大切なものまで傷つけることはしたくないよ。」
「当たり前だ。」
やれやれとでも言うようにため息まじりで呟くティエリア。
「うん、そうだね。」
アレルヤはクスッと微笑む。
そして、そっとティエリアと手を繋ぐ。
「離せ。」
ティエリアは嫌だと身体をよじるがアレルヤの力には敵わない。
(まぁ、いいか。)
そう思えてきたティエリアは、そう思ってしまったことに戸惑う。
だか、俺はアレルヤの手の温もりに安堵を感じている。
アレルヤの笑顔を見ると落ち着く。
何なのだろう。
不思議な感情を覚える。
まさか、これがアレルヤの言う幸せってことなのか。
そうだとしたら、幸せっていうのも悪くない。
ティエリアはそっとアレルヤにもたれ掛かる。
「ティエリア?どうかした?」
急に手を繋いだことへの抵抗をやめたと思ったら、寄り掛かってきたティエリアに困惑した。
「俺は、アレルヤが笑ってるときが、アレルヤが幸せだと思うときが、幸せ、だと思う。」
小さい声で、顔を赤らめながら言うティエリア。
「え、あっ、そう?ありがと♪///」
ティエリアがとぎれとぎれで伝えてくれた今の言葉が嬉しい。
(本当に、君といるとどんな時でも幸せになれるよ。)
それぞれで幸せの意味なんて異なるけど
僕らはずっと幸せでいれると
そう、思った。
END。
→あとがき