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□最後,最期
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あぁ,今日だったな……
男はふと口元に笑みを浮かべた
至極愉快だとでも言うように目を細めながら。
あの雨の降る夜,悲しみと共に咲かせた憎しみを世界中にばらまいた
楽しかったな。あの時は。
彼は人一人いない暗い部屋の中で,見えない空を見るように唯硬くグレーの壁を眺めた
彼はもう外に出られない
と言うより出たくない
出れば待っているのは 死 のみで
彼は自分が出れば襲って来るであろうそれらに直面したくないのである
自分で撒いた種に悩んでいるようじゃ世話ねぇな…
今度の彼の笑みは苦々しく,軽く自虐的だった
段々と苛々が募り,胸ポケットにある煙草を取り出す
あの時あいつ等がこの格好の侭捕獲して,ここに放り込んでくれた事に感謝しよう
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