□高見の見物
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目の前の蟻の行列を
乱したいと思った

規則正しく歩く昆虫(いのち)を
一つ一つ壊していきたいと思ったんだ

行き成りの出来事に
慌てふためく彼等の姿を
嘲笑しながら眺めてみたい。そう思った

正される事のない乱れる列に
恐怖を刻み付けながら
一つまた一つと消していきたい



神のようにできるだけ高くから
見下していたい

憐れな憐れな多くの命を
潰して潰して潰して潰して……


決して戻ることのない命に嘆く様を

高見の見物といこうじゃないか




©十六夜


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