mini小説


◆14 

「ただいま」

返事はない。

父さんは椅子に座りながら新聞を読んでいる、母さんはキッチンで何かをしていた。

俺は入ってすぐのところで立ち止まっていると

「そこに立っていられると目障りだ、用が無いのならさっさと部屋にいけ」

「あの…これ、」

俺はあわてて手に持っていた紙を父さんの所に行き差し出した。

だが父さんはこっちに顔は向けず目だけで紙をチラッと見てから直ぐに新聞に視線を戻すと

「下らない…それぐらいできて当然だ」

思っていた通りの返事だった。

2013/04/20(Sat) 02:43

[コメント書込]

[戻る]
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ