ゆめ

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うひゃ〜、…さっぶ〜……!やっぱり、マフラーもしてくるべきだったかな〜………あ、い〜ところに………

信号待ちの隙に、冬休みを費やして編み込んだマフラーを袋から出して、ぐるぐると巻きつける。宿題をほっぽって夢中になった結果、ぞんぞろ長くなってしまったマフラーは、暖かい代わりに首をがっちり固定してくれた。(まるで犬とか猫につけるエリザベスカラーみたい)これからこのマフラーの所持者になるだろう相手がつけている所を想像したら、寒さが和らいだ気がした。

家を出る前に確認したケータイは10時半過ぎをさしていて、それから自転車でだいぶ走ってきたので、きっと11時は過ぎている。

信号が青を示すと、自転車が揺れた振動でちりん、とベルが鳴った。信号はこんな時でも休みなく動いている。日にちが日にちなので、周りの家からもまだ団欒の空気が伺えた。テレビなのか住民なのか、たまに、あったかい笑い声も聞こえる。静かな家は、初詣で人波に揉まれているのだろうか。今年はこんな事があったね、とか、それぞれの日々を振り返っているのかもしれない。あぁ、今年もあと少しで終わっちゃうのか。それでも来年の話をすると鬼が笑うだなんて言葉があるのだ、私達にはやっぱり今しかないのだろう。もう終わりを告げようとしている、今しか。


ほら、きっともうすぐ、彼の家につく。




(A happy new year !)


*******(071231)
彼=あの人のつもりだったけど限定されてないのでご想像にお任せ。良いお年を!

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