頂き物

□幸福→驚愕→後悔の朝
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極まれに、「これは夢だ」と分かる時がある。
それが、今の俺だ。
眼を開けて、5秒でこれが俺の夢だと分かった。
こんな良い夢ならずっとでも見てても構わないな、マジで。




眼を開けると、真横に惚れてる奴の寝顔があった。
で、これが夢だと気付いた。
夢の中でまで俺は寝てたってことだ。
こういうのを幸せって言わなきゃ、何を幸せって言うんだって話だよな。
こんな傍でこいつの寝顔見れるなんて、なんていい夢だ。

いつも起きてるのか寝てるのか何処見てるのか分からない眼してるが、これだけ間近で見るとしっかり閉じているのが分かる。
これを本人に言うと、コイツは不機嫌そうに「失礼ですね、細いですけどちゃんと開いてます」と言う。
だから、思っていても口にはしない。
・・・が、たまにその顔が見たくてわざと言う。
まあ、俺より年上でしかも男に言う台詞じゃないが・・・可愛い。
絶ッ対に可愛い。
ついでに言っておくなら、眼を開いてる(まあ、いつも開いてはいるが)時のこいつは、どっちかっていうと格好良い。
ブレダに言わすと、「惚れた弱み」だそうだ。
はいはい、何とでも言え。


ああ、ぼちぼち起きた方がいいだろうか。
でもまあ、せっかくだしなあ・・・勿体無い気もする。
だってなあ、こんな良い夢なんて滅多に見たことないぜ?
俺の横で同じ布団でファルマンが寝てるなんて、都合良過ぎだろ。
グッジョブ俺の妄想っつーか、夢。

1人で布団に入ってるのと全然違う。
だってぴったりくっついてる時の暖かさ。
・・・最ッ高!!
もう一眠りするかな。
そう、あと5分。
あと5分したら起きよう。
おやすみ、ファルマン。
夢にまで出てきてくれるってのは、幸せだな。



お約束のように自分の頬をつねってみた。


ほらな、普通に痛え。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・痛い?
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