記念SS

□Rain
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気付いてしまった時から・・・初めから諦めてしまっていた。
だけど、もうどうしようもない程に好きだった。

側に居る度オレは何でもないフリをして、ファルマンはいつも気付かないフリをしてくれた。
どうにか保っていた距離が・・今夜ついに壊れてしまった。
降り出した雨に均衡が崩れてしまった。

無口なまま2人で歩けば、点滅を繰り返していた街灯がついに明かりを落とした。
身体を打つ冷たい雨が・・・揺れる恋の危険な誘いをかけた。

このまま落ちて、2人で堕ちて行くなら

降り注ぐ雨に濡れていくファルマンはじっと見つめ返している。
どうか、今は何も言わないでくれ、今だけは何も聞かないで。

壁に押しつけるように唇を重ね
ファルマンは静かにオレを受け止めた。

冷えた身体を抱きしめ、深くキスをする。
もっと求めてくれ、もっと強くオレを求めて・・・
ふるえる身体がオレを包み込み、降り続く雨の音が消えた。

 
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