短編集

□想いF.ver
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夜、一息つく頃にハボック少尉がそっとやって来て
部屋の明かりを消す

仲間に知られてはいけない、二人だけの時間

私と彼の時間

私を縛り付けていた軍という鎖を解き放した、少尉
その彼が鎖になるなんて

でも、出逢わなければ良かったなんて思えない

命に灯をともすような、激しい情熱
何事にも決して屈しない信念

私は彼に魅せられ、憧れた

憧れが強い感情に昇華した瞬間、

私は、震えた

私の感情が少尉を汚してしまう様で嫌だった
誰にも気づかれてはいけないと必死だった

彼の瞳に私と同じ苦しみを見た時
私は自分に必死に言い聞かせた

少尉の人生をメチャクチャにしてしまうことはできない
こんな暗く、辛い道を歩ませてはいけない

だけど、私は・・・

私は彼が欲しかった
心が、体が、彼を求め叫んでいた

彼に抱かれる度に恐くなる

少尉の身体のキズを指先で感じる度に
死と隣り合わせで生きている現実を衝きつけられる

背中に感じる強く温かい手も、羽根のように優しい接吻も
いつか、全てが儚い幻想に終わる


どうか、その時は一緒に連れて行って欲しい

私は、あなた以外に何もいらないから

どうか、一緒に連れて逝ってください



私は、ハボック少尉あなたを愛し続ける以外、何もできないから



Fin
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