長編集

□つかの間のヒロイン(2)
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「その話、本当に司令部中に?」
自分のせいだ、こんなことになるなんて・・・・
ファルマンは話を聞いて酷いショックを受けた。
「はい、自分が聞いたのは昨日のお昼近かったです。あの・・・大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。その話は嘘です!デタラメです!ハボック少尉とは何でもありません。
ああ、どうしよう、少尉に迷惑をかけてしまった」
ファルマンの心を痛め悩んでいる姿に話しかけた男は感動する。
やっぱこの人天使だよ!自分のことより他人のことを心配して!噂を信じず勇気を出して本人に確認して良かった〜v
「大丈夫ですよ噂なんて直ぐ消えますから」
「教えてくれてありがとう・・・・」
話し終わったからと言って沈んで立ち止まったままのファルマンを置いて立ち去ることができず男は困ったが天からの助けが来た。
「おはようございます准尉!」
フュリーがやって来て様子がおかしいのに首を傾げた。
「どうしたんですか?」
「曹長、実は大変な噂が流れてると聞いた所なんだ」
ああ、どうしようとファルマンが嘆き、それを聞いたフュリーもせっかくの虫除けが半日しか保たなかったとガッカリした。

ファルマンの心を痛め悩み沈んでいる姿にフュリーと話しかけた男は何だか悪いことをした気持ちになった。
「准尉、大丈夫ですよ!そんな話なんて誰も信じませんよ!」
「そうだ!自分が本当のことを皆に言って回りますよ!」
「ありがとう、2人とも・・・・悪いが少し1人になりたい」
「あの・・・」
「でも・・・」
「大丈夫、ちゃんと時間には間に合うように行くから」
ファルマンはそう言うと反対方向へ歩き出した。

残された2人は顔を見合わせると溜め息をつき司令部へ歩き出した。
着いたら、ブレダ少尉と一緒に准尉が傷つかない虫除けを考えようと
着いたら、その噂は准尉が傷つくから止めろと片っ端から言って回ろうと
それぞれ思いながら・・・・・
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