その他の空

□☆結局したかったのは。
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十数分前に部活が終了した泥門高校アメフト部。

部員達は汗や土まみれになった体を、部室とは思えない部屋に備え付けのシャワーを浴びたりしながら各自処理をしていた。

そこへ一人の少年が、体の割合に合わない程のタオルを持って部室へ入ってきた。


「あ、の!タオル、持って来ってうゎあ!!」
「「「「「セナ!?」」」」」
「セナくん!!」
「ったた…すみませっ」


見栄を張って大量のタオルを運んだのがアダとなったのだろう。

目の前が見えない体勢で運んだため、誰もが予想できえた事態が起こった。

事態という程大きな出来事ではないが、簡単に言えば体勢を崩してこけてしまったのだ。

そこへ駆け出す心配症な&過保護な部員達。

しかし全員がそこへ手を差し伸べることはなかった。

いや、できなかった。

その場にいち早く居合わせた人物に近づくものは、誰一人としていないのだから。



「ったく。んな大量に持ってくっからだろうが糞チビ。」
「え?あ、ヒル魔さん!?」
「ああ?俺以外の誰に見えんだ?
もし、仮に。他のやつに見えんだとしたら…この場で犯すぞ?」



セナの体を、地面に落とす寸前で回避したヒル魔の姿がそこにあった。

もちろん必要以上の至近距離で話す二人は、部員の公認の仲。

つまり恋人同士。

余談であるが、セナが知らないだけで、実は全校公認の仲だったりする。
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