NOVEL1
□daydream
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寝苦しさから、嫌な起き方をした。
寝汗でシャツは張り付き、前髪も額に纏わりつく。
息苦しさを感じて、シャツのボタンを一つ緩めた。
張り付いた前髪を掻き上げ、ぼやける視界で部屋を見渡す。
いつもの部屋。
葛西さん家で借りている俺の一室。
必要最低限の物しかない、何の変哲もない薄暗い部屋。
さっきまでいた部屋は?
行ったこともない。
見たことすらない。
でも、そこには確かに自分が存在している現実味が漂っていた。
何かを欲するように、渇いた喉に生唾を押し流した。
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