SUGAR LIFE
□with a kitchen
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「ただいまー」
「お帰りっ、久保ちゃん」
「うん。ただいま」
玄関のドアを開けると、可愛い新妻のお出迎え。
「幸せってこういうこと言うんだねぇ」
「?久保ちゃん?」
「うーん。なんでもないよ。今日の夕飯は何かな?」
「今日は肉じゃがに挑戦してみたんだ」
「そう。で、なんか焦げ臭いいんだけど。もしかして、火をつけたままだったり?」
「あぁぁーーー!!」
燻る煙と焦げた鍋の中には、肉じゃがだったと思われる黒い塊。
辛うじて、じゃがいもだけが原型を留めています。
「ごめん、久保ちゃん…」
「うーん。新しいの買おっか?」
「でもこれで三個目だし…」
「いいの。気にしない、気にしない。明日休みだし、買いに行こ」
「うん。ほんとにごめんな…」
「時任ががんばって作ってくれようとしてくれるだけで俺は嬉しいよ?」
久保田さん家の奥さまはとても家事が苦手のようです。
それでも、旦那さまは海のように広い心で受け止めているのでした。