SUGAR LIFE
□timing
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今日も旦那さまはお仕事に精を出しています。
ですが、いつもとちょっと違うようです。
「もぉ、いやっ」
「久保田さーん。自業自得なんすから、ちゃんとやってくださいよ」
「だって、俺ってデスクワークって感じしないでしょ?」
「まぁ、そんな感じはありますけど。それとこれは別っすよ」
「なぁんか、今日の小宮、冷たい」
「今まで、久保田さんが片付けるはずだった書類を俺が散々って言っていいほどやってたんです。いい加減、俺も怒りますよ」
「怒っちゃうの?」
「はい。俺だって、怒りますよ」
「小宮が怒るところ見てみたいなぁ。ってことで、俺、外回りに行ってきまーす」
旦那さまが椅子から立ち上がろうとしたのを、小宮は渾身の力を入れて、座り直させました。
いつもなら従順なはずの後輩の行動に旦那さまは少し驚いてます。
「ダメっすよ。今日は久保田さんに書類を全部片させて、提出させろって言われてるんすから」
「それ、誰から言われたの?」
「真田常務から直々に。昇進の話が上がってるから、書類ぐらい一人で全部やらせろって」
「ふーん。真田さんがねぇ…。先手打っておいてよかった」
なんのことだかわからない小宮を余所に、旦那さまは携帯電話を取り出し、どこかに連絡をとっていました。