NOVEL1

□teddy bear
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時任は新作の格ゲーに没頭中。
暇を弄ぶ久保田は灰皿を見つけ、いざ喫煙という名の癒しへ。

愛煙SsevenStarsに火を点け、肺に一息目を吸い込む。

美味いかと聞かれたら、美味いと言える代物ではないが、なくてはならないものになってしまったものを、そう簡単に止められるはずもない。
依存性とは怖いものだ。



気付けば、先程点けたばかりの煙草は、先が短くなっている。
それを灰皿で捩消し、二本目を取り出しながら、時任の姿を確認する。
未だに、ゲーム機の画面に集中して、そばに久保田がいなくなっていることに気付いていない。



「困ったもんだね」



軽く苦笑しながら、煙草に火を点けた。
時任から視線を外すと、ふと黒と白の山が目についた。

点けたばかりの煙草を灰皿に放り込み、その山の元へと歩み寄る。
少し嬉しそうにコインを投入し、ボタンを操作し始めた。





久保田が戦利品を手に、新たな煙草を味わっていると、ようやく気が済んだのか、時任が晴々とした顔でやってきた。



「久保ちゃん、それなに?」

「ん?UFOキャッチャーで取った」

「取ったって、それはねぇだろ。男がクマのぬいぐるみなんて」

「そぉ?俺はこれ、可愛いと思うんだけど」

「たまに久保ちゃんって、わかんねぇ。まっ、いいや。帰ろうぜ」

「うん」


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