時任君の教訓
□blackout
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すげぇ音してる。
風呂場にいるのに、ここまで聞こえてくるし。
ってゆーか、変に反響して、大きく聞こえてるのか?
湯船に浸かりながら、そんなことを思ってたら、ガラって風呂場のドアが開いた。
「なんだよ」
「早く出ておいたほうがいいかも」
「なんで?」
「いやね。雨がすごい降ってるし、雷が結構近いからさ」
やっぱ、近かったんだ。
風呂場だと音が反響するからって、腹に響くような音になるわけじゃねーもんな。
でも、なんで?
「なんで、早く出た…えっ!?」
「あー…こうなるかもしれないからって。予想的中?」
なっ!?
えっ、なんだよ!?
久保ちゃんが早く出ろって、停電になるかもしれねーからってことかよ!
うぁ…どーしよ。
「なぁ、久保ちゃん。ライターとか持ってる?」
「あー、リビングかな」
「じゃ、ケータイは?」
「残念。それもリビングだ」
どーすんだよ!?
真っ暗じゃ、風呂出るの危なくねーか?
「停電が復旧するまで、ここにいなさいね。危ないから」
「このままじゃ、ふやけそー」
「でも、足元見えないから転んじゃうし」
「そーだけどさ」
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