2
□firefly
1ページ/1ページ
ホタルがいる。
赤い小っちゃい光が強くなったり、弱くなったり。
夜に一人でコンビニに行くと、必ずいる。
マンションを見上げて、今日もホタルを探す。
…いた。
ホタルの後ろに、ひょろっとした影がある。
俺に気付いて、軽く手を振ってる。
それを見て、駆け出した。
ボタンを連打する。
早く、早く。
もっと早く昇れ。
チンなんて安い音を立てて止まる。
あと少し。
息を整えて、チャイムを押した。
「久保ちゃん、ただいま」
一年中見れる俺だけのホタル。
「おかえり、時任」
それを見つけたら、すぐに帰るんだ。
久保ちゃんが俺を待ってるサインだからな。
A sign of the love that your gesture to wait for me demands me.