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□close eyes -takizawa-
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寝ようとベッドに潜り込めば、君の残り香。

いや、違う…。
君に付いてた『あいつ』の香りだよね。

『あいつ』がいない日に遊びに来るようになった君は、『あいつ』が帰ってくる時間を見計らって、この部屋から出ていくんだ。

だから、その後には君の匂いに見せ掛けて、俺とは違う『あいつ』の匂いが毛布を占拠している。

帰る場所を得ていた君にこんな感情を抱いてはいけないと分かっていた。
それでも思ってしまった…。

君と出会うのが『あいつ』より早ければ。
君のことを『あいつ』より分かってあげれたら。
君が『あいつ』より俺で頭がいっぱいになってしまえば。

意味のないことを思って、無意味にあがいた。

「ね、トッキー…キスしてもいい?」

『は?別にいいけど。キスぐらいどーってことねぇし』

いとも簡単にできたあがきは、俺を舞上がらすには十分だったけど…

「もっとしていい?」

『別にー。やっぱさ、人によって味が違うんだな』

「そ、だね…」


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